川瀬巴水展

今日は、難波方面で打ち合わせだったので、

仕事の帰りに高島屋で開催されている

川瀬巴水の版画展にいってきました。

以前、某TV番組で取り上げられていた際に、

これから全国を巡回すると言っていたので、

大阪に来る日程を楽しみにしてました。



tennrannkai0228_2014.jpg


版画って分業で作られていたんですね。

巴水は版画の「原画担当」だったので、全国を旅しながら、

原画になる美しい風景を写生して廻ったそうです。

東京には版画を売る版元(今でいう出版社)がいて、

そこの店主(今でいう編集プロデューサー)と写生画の中から、

「これは売れそうだ!」 という絵を選び、

版画に起こしていくという流れだったそうです。



この原画のセレクトで、後年、店主と巴水は

ケンカすることもあったそうですよ。

たしかに、売れる絵と自分の好きな絵は違うかな~。(笑)








版画ができるまで。

まずは彫師が版木を掘る。

1枚の絵になんと42枚程の版木が必要みたいです。

大変な作業ですね。



次に1枚ずつ色を重ねていく工程。

色の上にさらに色を重ねて、影や夕闇の雰囲気、

奥行き感を出していくという技法です。

最初から1色でドンと刷るのではないんです。



そして、出来上がった版画を見ながら、

関係者みんなで協議するそうです。

「この色がどうだ」 「雲を足そう」 「夜景がいい」とか、

いろいろな意見を出し合い、訂正変更して、

同じ版画が200枚くらい刷られ、販売されたそうです。




一番売れた絵は、3000枚だったとか。

当時の人口を考えると、すごい枚数ですね。

巴水は、関東大震災で被災しています。

震災で版元の店は焼け、店主も巴水もショックを受けますが、

店主が巴水を元気付け、また写生旅行へ向かわせるんです。

かろうじて焼け残った版木を背負って、

地方地方で版画の実演即売をしながら、

お金を作って、全国を旅して回るんです。

東北から、四国、関西まで。 すごいなぁ~。




震災後の版画は、線が細かくなり、

緻密な絵に変化しているように見えました。 

震災で、版木は消失して、二度と同じものはつくれないけど、

以前、買い求めてくれたお客さんの家に、

絵が残るのが版画のいいところかもしれないと語っていたそうです。




さて、巴水の版画は雪や雨、水たまり、川、海

といった水の表現が秀逸です!

そして、同じ原画を使って、昼景、夕景、夜景と連作モノも多い。

太陽の光、月明かり、部屋から漏れる明かりなどの表現も

これまたすばらしいんです。

富士山や松島の作品は、雲のあるバージョン、雲のないバージョン、

朝靄の景色、昼間の景色など、たくさんの「試作」という作品が、

「本物」の横に展示されていていました。

何度も試作を繰り返し、繰り返し、

「最高の一枚」を世に送り出していたんですね。

見ごたえのある展覧会でした。




関連記事
スポンサーサイト
  • このエントリーのカテゴリ: 展覧会

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する